マッチングアプリのPairs(ペアーズ)を運営する株式会社エウレカは、2018年12月、東京大学とAIを活用したマッチングシステムを共同開発していくことを発表しました。恋活・婚活のマッチングアプリと人工知能(AI)は本当に信頼できるものなのか…について見ていきたいと思います。
もくじ
人工知能で思いがけない人とマッチングできるかも??
今回、Pairs(ペアーズ)を運営する株式会社エウレカが発表したのが、AIを活用したマッチングの仕組みを東京大学と共同開発する、ということです。
「好きかも?」AIで分析 東大と「Pairs」がタッグを組む理由
恋愛・婚活マッチングサービス「Pairs」(ペアーズ)を運営するエウレカ(東京都港区)は12月10日、東京大学とマッチングアルゴリズムを共同開発すると発表した。利用者の行動履歴などをAI(人工知能)を活用して分析し、「質の高いマッチングの実現を目指す」(同社)としている。
(出典:ITmedia / 2018年12月10日)
これはどういうことなのでしょうか?
マッチングアプリ上でどんな検索をしているのか、どんな人にいいね!を送っているか、などは全てデータとして蓄積されているので、それを活用してよりレコメンド(おすすめ)の精度をあげられないか、というのが今回の目的です。これまでもPairs(ペアーズ)を運営する株式会社エウレカは、よりマッチングの精度をあげられるように独自のアルゴリズムを構築していました。
しかし、まだまだマッチングの精度をあげるために利用できるデータがあるのではないかと考え、東京大学との共同研究をすすめることにしたとのことです。
共同研究をすすめるのは、ビッグデータ分析に長ける東大大学院の山崎研究室(情報理工学系研究科)でPairs(ペアーズ)のサービス内の行動履歴を、山崎研究室が機械学習、パターン認識技術などを活用して分析し、“探し切れていない切り口”を見つけることを検討している。また、当然ながら利用者のプライバシーに配慮した上で、プロフィールの画像などの分析も検討するようです。
東京大学大学院の山崎俊彦准教授は既にマッチングを予測する予備実験を行っており、Pairs(ペアーズ)の会員200万人分のデータを活用し、160万人分のデータを学習したAIに、残り40万人分のマッチング結果を予測させたという。
その結果、「いいね!返し予測精度」(※1)は、プロフィールのみの分析だと21%だったものが、プロフィールと一緒に活動履歴も分析すると36%まで上昇した。また「いいね!返し網羅率」(※2)も同様に62%から75%にアップしたのだという。
※1:いいね!返し予測精度……AIが個々の『いいね!』に対し、『いいね!』がもらえるかを予測し、何%が正しく予測できたかを表す(適合率)
※2いいね!返し網羅率……テストデータ(40万件)の中で『いいね!』返しが起こったもの全体を100%とし、AIが『いいね!』返しが起きたペアを何%予測できたかを表す(再現率)
ペアーズとは?
Pairs(ペアーズ)とは、株式会社エウレカが運営する恋活・婚活を目的としたマッチングアプリです。独身の男女が会員登録してメッセージを通してお互いを知り、実際に出会うところまで男女を繋げてくれるアプリです。
インターネットによる出会いと言うと怪しいとかいかがわしいとか騙されるのではないか…などと思う人もいるかもしれませんが、現代においてインターネットを通して男女が出会うというのは当たり前になりつつあります。
こうした出会い方が先行しているアメリカでは3人に1人がこうしたマッチングアプリを使って結婚しているそうです。3人に1人が出会っているのではなく、結婚しているのです。そう考えると、出会うと言うレベルで言うともっと確率は高いことになりますね。
その中でもPairs(ペアーズ)は国内最大級の会員数を誇ります。現在、その累計会員数は800万人にものぼります。利用している年齢層は20代から30代がメインで、結婚適齢期の男女が利用していると考えてもらえれば良いかと思います。
マッチングアプリはPairs(ペアーズ)の他にも多くの企業がリリースしていますが、ペアーズほどの会員数には達していません。同様のマッチングアプリですと、オミアイやタップル誕生、withといったアプリもあり、それぞれに特徴がありますが、会員数は多くても350万人ほどなので、ペアーズの半分くらいにしかなりません。
ペアーズの仕組みとは?
マッチングアプリのPairs(ペアーズ)の仕組みは至ってシンプルです。
会員登録した男女が、自身のプロフィールを細かく設定します。その記載されたプロフィールに基づいて希望する女性を探して、その人にいいね!というシステム上のライクボタンを押します。そのいいね!に対して相手もいいと思ったら、そのいいね!を返し、マッチングが成立します。マッチングが成立したらそこからお互いがメッセージを送りあって、あとはお互いが良ければリアルで会う…という仕組みです。会員は男でも女でも、何人とでもやり取りすることができ、自分に合った人を無限に探すことができます。
Pairs(ペアーズ)では、よりマッチングができるようにさまざまな仕掛けを用意しています。例えば検索機能。検索機能を使えば、どこに住んでる人なのか、どんな職業の人なのか、身長はどのくらいなのか、など自分の好みにあった人を検索することができます。
どんなに素晴らしいと思える女性であっても、かなり遠くに住んでいる…という人であったらなかなか恋愛に発展するのも難しいですよね…また、休みが同じ曜日じゃないと嫌だ、という人はある程度職業が限定されてしまいますよね。
このように人の好みはそれぞれなので、そうした好みにあった異性を探すことができるのがペアーズで恋人を探すメリットと言えるでしょう。
Pairs(ペアーズ)はマッチングするまでは無料で使えますがそこから異性とメッセージのやりとりをするためには有料会員になる必要があります。
基本的に
- 男性:有料
- 女性:無料
という料金体系なっています。男性会員は女性とメッセージをやりとりするためには有料会員にならなければならないのですが、その料金体系は月額制となっており、最低1ヶ月契約から有料会員になることができます。長く使うことを前提にするとよりお得に有料会員になることもできます。
男性の有料会員は以下のようになっています。
- 男性有料会員月額:1,280円〜
- 女性の月額料金:無料
クレジットカード | iPhone | Android | |
1ヶ月 | 3,480円 | 4,100円 | 4,100円 |
3ヶ月 | 2,280円/月 6,840円/一括 |
3,400円/月 10,200円/一括 |
3,400円/月 10,200円/一括 |
6ヶ月 | 1,780円/月 10,680円/一括 |
2,300円/月 13,800円/一括 |
2,300円/月 13,800円/一括 |
12ヶ月 | 1,280円/月 15,360円/一括 |
1,650円/月 19,800円/一括 |
1,650円/月 19,800円/一括 |
*料金は全て税込みです。
Pairs(ペアーズ)の支払い方法は全部で3種類あります。クレジットカード、Google Playストアでの支払い、iTuneストアでの支払いです。WEB上で支払うか、アプリ内で支払うかによって、料金が結構代わりますのでできるだけWEB版で決済することをおすすめします。WEB版で決済してもiPhone / Androidのアプリでログインすれば、決済が済んでいることになりますので、お得に利用することができます。
人工知能とは?
人工知能とはArtificial Intelligence(アーティフィシャルインテリジェンス)の略で、AIと呼ばれることが多い用語です。ここ数年で急激に注目されてる言葉で、聞いたこともある人は多いのではないでしょうか?
一番、有名なのが、碁のソフトのAlphaGo(アルファ碁)かと思います。AlphaGo(アルファ碁)は、コンピュータて作られた碁のソフトで、人間の対戦相手として碁の対戦相手になってくれるもので、このAlphaGo(アルファ碁)は何万、何億という対戦データを記憶させることによって、相手が打ってきた手に対して、どんな手が最適解なのかを自動で導き出してくれるのです。コンピュータが計算するので人間が頭で計算するよりもより正確に、そしてより早く計算してくれ、次の一手をあっという間に導き出します。
さらにその結果がどうだったのかを過去のデータとして蓄積していき、より賢くなっていくのです。これが一般的に人工知能と呼ばれているものです。
あくまでもとは人間が作ったものである、ということから人工という名がついてしまっていますが、上記の碁のソフトは人間が考えうる手を超えてしまったということで大きく話題になりました。
人工知能とマッチングアプリは相性が良い?
上記で説明した通り、人工知能というのは過去のデータを蓄積して、それをもとに学んでいくというのが基本的な仕組みです。そこにはデータがあることが前提となっています。
マッチングアプリでも同じようなことができるのではないか、というのが今回の東京大学との共同開発の肝です。
これまでのお見合いサービスは、結婚相談所という形式で、相談所の職員が男女の経歴や相手への希望条件をヒアリングし、そのデータベースをもとに相談所の職員が希望に沿った人を紹介する形となっているため、人が介在している部分に関しては詳細なデータが残っていません。
それに対して、Pairs(ペアーズ)のようなマッチングアプリではほとんど人が介在しておらず、どんなプロフィールを入力するのか、どんな条件で検索するのか、どんな人にいいね!を送るのか、どんな人とマッチングするのか、全てデータとして残っています。さらにはマッチングした相手とどんなメッセージをやりとりしているのか、何時ころメッセージを送っているのか、何回メッセージをやりとりしているのか、どこでメッセージが途絶えたのかすらわかってしまいます。このデータをコンピュータに覚えさせることによって、誰と誰がマッチングするとどうなるのか…というのがある程度わかってしまうのです。
そんなことがわかってしまうのは怖い…と思う人もいるかもしれません。しかし、そこはあくまでデータとして取り扱っており、個別具体的に誰が…というところに関しては匿名化して行うのが一般的なので、個人情報に関しては心配する必要はないでしょう。
洗練されるとこんなことも期待できるかも?
この人工知能をより研ぎ澄ませていくと将来的にはこんなことが実現されるかもしれません。
- プロフィールを入れるだけで男女お互いにオススメの異性をレコメンドしてくれる
- メッセージのやりとり中に、こういった話題をすると良いでしょうとアドバイスしてくれる
- マッチングしてもそのあと続かないだろうと判定された場合、マッチングできない、もしくはそもそも検索しても表示されない
- どんなプロフィールを書いたら良いか指南してくれる
将来的にペアーズでもわかるかも?あなたと結婚する確率は何パーセントか…
もしかしたら、いつの日か
この人と結婚する確率は何パーセント
みたいなものもわかってしまうかもしれないです。
既にPairs(ペアーズ)ではPairs(ペアーズ)経由で恋人・結婚できた人が累計で18万人いると発表しています。人間と人間の出会いなので、もちろんデータでは語れないところは大きいので、実際に会ってみなければわからない部分も多々あるかと思います。しかし、人が一生の中で出会える人数は限られています。
仮に1日に3人に新しい人にあったとしても、年間で1,095人となります。人生80年だとすると、
1日×3人×365日×80年=87,600人
となります。このうち、恋人となる人は多い人でも10人ほど、結婚する人は1人なので、
恋人となる確率:0.01%
結婚相手となる確率:0.001%
です。これだけ確率は低いわけです。その可能性が少しでもあがるのであれば、そんなにスゴイことはないですよね。
少子高齢化が進み、女性も働くというのが一般的になった日本において、出会いの場がより増えて多くの男女が恋人関係、ひいては結婚し、多くの子供が生まれる環境ができるといいですね。